ローマ人への手紙 その1

ローマ人への手紙(16章)信ずるだけで義とされる その1

この手紙はパウロがローマの教会に宛てたものだが、パウロはこの教会に行ったことも教会の人と面識があったわけでもないといわれている。

手紙の内容はキリスト教の教理が理論的に述べられていて、まるで教科書のようである。この書を読めば、キリスト教とは一体どのような宗教なのかが判然としてくる。

パウロが一番強調している教理は、救いの本質にかかわることで、罪人である私たちが神様のみまえに罪のない人、義人と認められる(救われる)唯一の方法は、イエス・キリストを信じる信仰だけである、その他にはなんの条件もないということである。非常に単純で明快な理論であり、説得力に富む文章が脈々と連なっている。中心的なみことばを肯定しそこに立つとき、自分自身の信仰の枠組みががっしりと構築される。

救いに導く有名なみことばをいくつか書き出してみる。
1章17節
『なぜなら、福音のうちには神の義が啓示されていて、その義は、信仰に始まり信仰に進ませるからです。「義人は信仰によって生きる。」と書いてあるとおりです』

3章23、24節
『すべての人は、罪を犯したので、神からの栄誉を受けることができず、ただ、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認められるのです』

4章25節
『主イエスは、私たちの罪のために死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられたからです』

5章8、9節
『しかし私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対するご自身の愛を明らかにしておられます。ですから、今すでにキリストの血によって義と認められた私たちが、彼によって神の怒りから救われるのは、なおさらのことです』

6章23節
『罪から来る報酬は死です。しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのちです』

クリスチャンはこの書のみことばをいつくも暗誦している。それらは魂の血肉になっている。時に触れ折に触れては思い出し、美味な食物を味わうように咀嚼すると、救われた喜びと感謝があふれてくる。 

2023年02月04日