使徒の働き

使徒の働き(28章)世界を駆け巡る福音

新約聖書5番目の本書から、時代はイエス・キリスト後に移る。人となった神イエス・キリストは十字架の死と復活によって人類救済の偉業を成し遂げ、天に帰った。もう地上には人間イエスはおられない。しかし、聖霊となった神(イエス・キリスト)は、人の心の中に住み、弟子達を愛し、導いていく。

聖霊の力によって、別人のように強くなった弟子たちは、イエス・キリストの福音を抱えてエルサレムから出て行き、ユダヤ、サマリヤ、さらに地の果てにまで伝え広めていく。彼らは権力者の前でもひるむことなくイエス・キリストを伝え、言葉とわざにおいて、あたかも生前のイエス・キリストのようである。

彼らの働きを記したのがこの【使徒の働き】である。それはまた福音の足跡であり、聖霊の旅でもある。

本書の初めは、12弟子のリーダー格であるペテロが都エルサレムで一大説教をし、その日一日だけで3000人もの人々が信者になった記事がある。最終章28章では、キリスト後に弟子になったパウロが、なんとローマ帝国のど真ん中で、福音を語っている。

その後の歴史は、ペテロもパウロも迫害のために殉教したと伝えている。ローマの皇帝たちはキリスト教を目の敵にし、なんとかして撲滅しようとやっきになったが、キリスト教はますます勢いを増し、ついにコンスタンティヌス帝自身が信仰を持ち、AD313年にはミラノ勅令が出され、キリスト教はローマ帝国の公認宗教となった。(これは新約聖書後の歴史の事実である)聖霊のみわざとしか言いようがない。

1章18節
『しかし、聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなた方は力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります』

28章30節
『こうしてパウロは満二年の間、自費で借りた家に住み、たずねて来る人たちをみな迎えて、大胆に、少しも妨げられることなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストのことを教えた』 

2023年02月03日