五島列島からの便り   寄稿者 野のすみれ

ここに一枚の絵葉書がある。五島列島からの便りである。彼女Hさんは娘と同じ位の年齢である 昨年結婚したとの連絡を受けたとき、心から「良かった!幸せになってほしい」と思った。Hさんの母親は、我教会の会員であった。聖学院大学附属幼稚園の管理人として、女で一人で二人の子を育てていた。

Hさんが高校生になった頃、病いにかかり回復することなく天に召されたのであった。
弟さんと二人、どんなにか心細かっただろうに…… 折にふれて祈ってきた。

証券会社に三〇年近く勤務、弟さんも立派に成長した。Hさんからの便りは今日まで細々ながら途絶えることなく、我子を見守るように接してきた。そのHさんが人生の伴侶を得、便りにはいつも「幸せです」と記されてあり、その度に「良かった 良かった」と思うのである。新婚旅行として五島列島は彼が選んだとのこと。

今年の年賀状には「家に遊びに来てください。彼にも会ってください」と書かれてあった。
都合をつけて出かけたいと今から心待ちにしている。

2023年02月26日