折り紙               寄稿者 スカイ ブルー

世の中では手先の器用な人と不器用な人と二種類の区別が為されています。
私は、不器用と言うのでしょうか?

子どもの頃から工作、編み物の類は、どの友だちと比べても下手でした。
特に綺麗な千代紙や友禅模様の布地で六角形の小箱やノートに被せるカバーなどを造るのが流行った頃には、かなりな劣等感に襲われました。所謂お勉強の方は、まあ何となく良く出来る方でしたから、その落差も目立ちました。

優しい友だちの一人が宿題の工作類は、殆ど手伝ってくれました。

大学時代に合唱団で出会った彼は、何故か手先の器用な人でした。別に、そこに惹かれた訳ではありませんでしたが、振り返ってみると、それも導かれた出会いの一つに違いないとも思えます。特に飴やチョコレート、小さな包み紙、全ては彼の指先によって、蝶々や鳩や可愛いものに変わりました。
 
彼が天国に還ってから三年近くなりますが、つい先日、娘が大きな菓子箱を見つけました。
開けてみましたら、まあ!と思わず叫んでしまいました。

小さな小さな蝶々が、鳩が鶴が折られた色彩豊かなキャンデーの包み紙の作品が、ビッシリ出てきました。それは学生の頃に彼が折ってくれたもので、私が、菓子箱に溜めておいたものだと、気づきました。彼はあの時、どんな気持ちで、何を思い、黙々と小さなキャンデーの包み紙に向かっていたのかしらと、思います。

聖書や讃美歌の大切な頁にも挟まれていた小さな小さな折り紙の小鳥たち。
ひっそりと何十年も綺麗なお菓子箱の中で、蓋を開けてもらうのを待っていたのでしょうか?

2023年02月24日