春は名のみの・・・    寄稿者    付箋

立春も半ばを過ぎ、数日で次の節気「雨水」に移ると言うのに、ここ数日の寒さは厳し過ぎて恨めしいほどである。有名な「早春賦」の歌詞に思いを託して、くり返し歌ってみているが寒さが遠のくわけでもない。しかし歌うと体が温かくなる。歌うことは全身運動をしていることになる。筋肉を使うだけでなく、呼吸にもいいだろう。血液循環がよくなるだろう。そんなメリットも考えながら努めて歌うことにしている。自己流だからどれだけ身体的に効果があるのかわからないが、長年、賛美歌を歌い続けてきたので歌うことは日常茶飯事の一つになっていて抵抗がない。歌うことは教会にいる時だけのことではない。聖書を読むことと、賛美することは信仰生活の両輪ではないだろうか。

家で歌う時は賛美歌だけでなく、かつて学校で覚えた唱歌や有名な童謡も入れる。時には世界の民謡や歌曲、メサイヤの中の曲も歌う。コロナ禍になって以来、教会の聖歌隊活動はストップしているが、再開が待たれる。ぜひまた歌いたいものである。

友人には歌の専門家も幾人かいる。
ある友人から「早春賦」を歌っています、春には「コンサート」をするので、体力つくりに励んでいますと知らせてきた。元気なお便りに刺激を受ける。寒さに立ち向かうように、すくっと立って情感豊かに賛美する友のお姿が目に浮かぶ。もう一人の友人からは個人レッスンの録音が送られてきた。今はメールを送るように簡単にできる。気持ちさえあれば時間も費用もかからない。それをすぐに開いて友の歌声を楽しめるのだ。春は歌から始まるのだろうか。もう始まっている。

近くの川辺へ下りてみた。寒風の中で、一足早い河津桜がここに一輪、あちらに一輪と咲いていた。今年初めての出会いを感謝した。貴重な一輪である。

2023年02月16日