創世記四一章

創世記四十一章一節
それから二年の後、パロは夢を見た。

いよいよヨセフ物語は佳境に入ります。キーワードは夢です。またも夢が先行します。ヨセフは神様から与えられた夢解きの杖で苦難の壁を打ち砕いていきます。
 
 献酌官長はヨセフのおかげで命拾いして職場復帰しますが、ヨセフのことをすっかり忘れてしまいました。しかし神様はご計画を進めるために彼を一足先にパロのもとに返したと考えられます。

 二年後に、今度はパロが夢を見るのです。二年後です。献酌官長にとってはわずかな期間だったでしょうが、ヨセフには気の遠くなるような二年ではなかったでしょうか。それでも外界との一筋の糸に希望を持ってじっと耐えたのです。もちろんこれだけに執着したのではないでしょうが。 

 パロは不思議な夢に心が騒ぎ、国中に触れを出して解き明かしのできる人を探します。しかし満足のいく答えを出せる人はいませんでした。そのとき、かの献酌官長はようやくヨセフを思い出すのです。遅い!と叫びたいほどです。しかしその後の神様のみわざは超スピードです。牢から出されたヨセフは直ちに王に謁見し、夢を解き、一気に王の信頼を得、この章の終わりにはナンバー2としてエジプト全土に君臨するに至ります。時にヨセフ三〇歳。一三年間の苦闘の暗雲はちぎれ雲となってかなたに飛び去り、主の知恵で政策、政務に実力を発揮します。七年間の豊作、七年間の飢饉を乗り越えるために。

2023年04月07日