創世記一五章

創世記一五章六節
アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。

 この一文こそ、この事実こそ、旧約、新約を貫く一大出来事、一大真理、神様のお考えの一大集約です。救いの体系を作る土台の中の土台、信仰の基礎中の基礎、『信仰義認』の発祥源です。旧約聖書は予言者ハバククの『義人は信仰によって生きる』で閉じ、新約の恵み、イエス・キリストへと繋ぎました。

 パウロはここから新約の教理を打ち立て、宗教改革者ルターはこの上に立ちました。今、私たちはこの信仰の継承者として、大きすぎるほどの恵みに生かされています。

 当時、アブラハムは跡継ぎがいないことに悲しみと恐れを持っていました。神様に従って『行先を知らずして』カナンに来て以来、十年が経っていました。すでに八五歳です。満ち足りた生活の中にいながらアブラハムの心には冷たい風の行き来する小さな穴があったと思われます。『あなたとあなたの子孫に与える』との神様のお声が忘れられないのです。アブラハムの煩悶を知っておられた神様は、彼を戸外に連れ出して満天の星空を見せ『星を数えなさい。あなたの子孫はこの様になる』と仰せられたのです。私なら、いくらあなたのおことばでも、とても信じられませんと反論したでしょう。

 しかし、アブラハムは『主を信じた』のです。即座に主を信じたのです。その速度を計るタイマーはどこにもないでしょう。その応答に神様は義の冠を授けました。

信じれば義人とされるのです。ハレルヤ! 

2023年03月12日