創世記二四章

創世記二四章一三節
ごらんください。私は泉のほとりに立っています。

二三章は国々の母サラの死と葬りの話で、悲しみに満ちていましたが、この章は一変し、結婚ムードあふれるロマンとスリルに満ちたイサクの嫁とり物語です。

アブラハムは信頼する老しもべに、イサクの嫁を自分の親族から迎えるために遠くアラムナラハイムへ遣わします。しもべはこまごまとした指示を胸に、十頭のラクダを引き連れて東の地へ向かいます。およそ二十日の道のりと言われています。

ようやく目的の町に着いたとき、しもべはまず祈ります。それが冒頭に掲げた一句です。主人の願いの通りに事が運ぶことを信じ期待しつつも、祈るのです。「私は泉のほとりに立っています」とは、なんと心に浸みる詩的な言葉でしょうか。さあ、ここまできました、いまこそあながたご自身が働かれる時です、ことを進めてくださいと、神様へ催促しているようです。

そして、ことはすぐに始まったのです。しもべの祈りが終わるのを待っていたかのようにリべカが現れます。彼女こそアブラハムが求めていた女性であり、しもべが連れて帰れる女性であり、神様が決めていたイサクの花嫁です。とんとん拍子に進みます。こんなにたやすくていいのだろうかと思うほどです。

創世記の中で一番長い章なのに、あっという間にリベカは未知の土地の未知の人へ嫁いでいくのです。信仰の勇気でしょう。創世記一二章のアブラハムの旅立たちを思わせます。信仰の冒険心はこの一族の賜物でしょうか。

2023年03月21日