創世記二三章

創世記二三章二節
サラはカナンの地のキルヤテ・アルバ、すなわちへブロンで死んだ。アブラハムは来てサラのために泣いた。

サラは九〇歳でイサクを産み、息子の成長を見守ることができました。乳離れの祝いの日に、ハガルの産んだイシュマエルがイサクをからかうのを見たときは、憤然と立ち上がり、ハガル母子を追い出してしまいました。母は強しを、目の当たりに見るような出来事でした。しかし肉愛の激情だけではないのです。イサクこそ神様の約束の子と確信していたからでしょう。そのサラも一二七歳で死ぬのです。サラはイサクを産んで育てたヘブロンにずっと住んでいたようです。おそらくアブラハムはその時一族や家畜の都合からベエル・シェバにいたと思われます。

アブブラハムは来て泣いたとあります。一〇〇キロもあろう道中を、泣き続けたに違いありません。看取ってやれなかったことを悔やみつつ、最愛の伴侶者の死を悼み悲しんだことでしょう。二人の夫婦関係は老いに従って円熟していったと思われます。

イサクとリべカ、二人の妻に苦しんだヤコブの家庭を思うとき、アブラハム夫婦の関係はトータルして麗しかったと思います。

アブラハムはサラのために高額な値で墓地を買います。わずかではあっても初めて自分の土地を所有したのです。約束の地の最初の所有地が妻の墓地であったとは、なんともこころ和み、こころうれしく、アブラハムへの尊敬の思いが高まります。 

2023年03月20日