創世記一三章

創世記一三章一八節
そこで、アブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫の木のそばに来て住んだ。そして、そこに主のために祭壇を築いた。

 神様のおことばに従って未知の地カナンに入ったアブラハムは、まもなく飢饉に遭遇します。自分の所有地のないアブラハム一行には、飢饉は即、死を意味したことでしょう。

 南のエジプトへ下って行きます。この時、神様に相談し、はっきりした許可をいただいたかどうか不明です。自己判断だったのかもしれません。そのせいか、この移動は大失敗でした。それでも一行は無傷でまたもとのカナンに戻れました。神様の介入があったからです。無傷どころか騙したパロから莫大な物的援助を得て、大いに富んで帰ったのです。神様は甘すぎるんじゃないかしらと、そんな妬みの思いが起きるくらいです。

 しかし、やがて財産の多いことが災いして、アブラハムはたった一人の肉親であるロトと袂を分かつことになります。この別れに際してアブラハムのとった態度は実に見事です。ロトは伯父への恩も忘れて、うるおい豊かなヨルダンの低地に魅せられて一も二もなく選び取ります。

 ロトを見送ったアブラハムは、神様の仰せに従ってヘブロンに移動します。そこに祭壇を築いて、主を礼拝します。おそらく祈りに没頭したことでしょう。神様とアブラハムの絆はますます強くなっていきます。

2023年03月10日