創世記三五章

創世記三五章三節
べテルに上って行こう。私はそこで、私の苦難の日に私に答え、私の歩いた道に、いつもともにおられた神に祭壇を築こう。

 シェケムを後にするヤコブに、神様は先だって言われます。「立ってベテルに上り、そこにあなたが兄エサウから逃れていたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい」。

いっとき茫然としたであろうヤコブは神様のおことばで我に返ったのでしょう、ベテル目指して旅立ちます。神様はヤコブの息子たちの残虐行為をどう思われたのでしょうか、聖書はそれには触れず、ベテルに行け、べテルに行け、そこで礼拝し祈れと言われるのです。

 私たちがまず第一に行くべきところは礼拝の場なのです。べテルは、ヤコブの信仰の原点でもありました。若き日、兄や父イサクを裏切り、自らの蒔いた種のせいで故郷を逃亡したヤコブが、命の危険を感じながら野宿したその夢枕に、主は貴いご自身を現わされ、ヤコブの将来を祝福した、あの忘れることのできない恵みの場所です。   

 ヤコブは目の覚める思いで立ち上がり、魂の故郷へ向かいます。ヤコブは懐かしい場所に立って、過ぎし二〇年を思い返し、神様の身前にひれ伏したことでしょう。ヤコブの心を占領したのは、おそらく自己の惨めさと及びもつかない神の無限の赦しと愛だったでしょう。私たちのべテルはどこでしょう。べテルに戻ったことがあるでしょうか。懐かしい魂のふるさとべテルを訪問したいものです。

2023年04月01日