創世記九章

創世記九章五節
わたしはあなたがたのいのちのためには、あなたがたの血の値を要求する。

 ノア家族が新天新地へ導かれ、意気揚々と新生活を始めようとする矢先に、神さまはなんと物騒なことを言われるのでしょう、ギクッとします。血の値とは、いのちそのもののことです。いのちのためにはいのちを要求するといわれます。

 血の値を支払えば死が待っているだけです。この言葉が、神様に反逆する悪人たちに向けられたのならまだわかりますが、愛するノア家族に向けられたのです。

これは肉食を許した直後に語られました。もともと神様は、一章にあるように人間の食物には菜食を指定されました。肉食は洪水後に認められた食物です。洪水で荒廃した地に植物が実るのを待つ間、肉食を許したと考えられます。それも条件付き、血を食べてはいけないと命じます。衛生的配慮もあるでしょうが、それ以上にいのちの大切さ、貴さを教えておられるのでしょう。

のちに律法には血はいのちであると明記されています。人のいのちの代償はいのちで贖うということです。神様のおっしゃりたいことは、ご自分のかたちに似せて創造した愛する人間のいのちを損なうものは、人間でも獣でも自分のいのちを引きかえにしなければその罪はゆるされないということではないでしょうか。

ここに早くも見え隠れするのは、十字架上で血を流し、いのちを捨てて人を罪から贖ったイエス・キリストのみ姿です。その救いのみわざです。救済のご計画はすでに神様の、みこころにあったのでしょう。その恵みの広さ、高さ、長さ、深さよ!

2023年03月06日