創世記四九章

創世記四九章三三節
ヤコブは子らに命じ終わると、足を床の中に入れ、息絶えて、自分の民に加えられた。

 臨終に当たって、ヤコブが息子たちに残した言葉を掲げます。

『彼はまた彼らに命じて言った。「私は私の民に加えられようとしている。私をヘテ人エフロンの畑地にあるほら穴に、私の先祖たちといっしょに葬ってくれ。そのほら穴は、カナンの地のマムレに面したマクペラの畑地にあり、アブラハムがヘテ人エフロンから私有の墓地とするために、畑地とともに買い取ったものだ。そこには、アブラハムとその妻サラとが葬られ、そこに、イサクと妻リベカも葬られ、そこに私はレアを葬った。その畑地とその中にあるほら穴は、ヘテ人たちから買ったものである。」 

 ヤコブは移住先のエジプトで何不足ない晩年を暮らしました。息子や孫たち大家族に囲まれ、家長としての尊厳を保ち、さらに、アブラハム、イサクの一族を継承した堂々たる族長でした。異国エジプトに身を寄せていたとはいえ、息子ヨセフはパロから篤い信任を受け、宰相として国家の最高地位にありました。いうなれば、一大成功者です。大きな顔をしてエジプトに住み、エジプト流の壮大なお墓に入れたのです。ヤコブはエジプトに葬られようとは望みませんでした。

 神様が祖父アブラハムに約束した地、カナンこそ帰るべき地、骨を埋める場所だと決めていました。信仰者ヤコブの誇り高き一面を見る思いです。
 
ヘブル書を思い出します。『彼らはさらにすぐれた故郷、天の故郷にあこがれていたのです』(一一章一六節) 

2023年04月09日