創世記一九章

創世記一九章一七節
命がけで逃げなさい。後ろを振り返ってはいけない。山に逃げなさい。

 神様(御使いとなっていますが神様と解釈します)がアブラハムを訪ねたのはイサク誕生の知らせだけが目的ではありませんでした。罪にまみれた悪徳の町ソドムとゴモラを滅ぼすためでした。そこにはロト家族が住んでいるのです。しかし、一八章の後半に見るように、神様はアブラハムの命掛けの嘆願を聞き入れてロトを救い出そうとします。御使いはロトと、妻と、二人の娘の手を引っ張って町の外へ連れ出します。婿たちは、ロトの助言を嘲笑って本気にしませんでした。結局、彼らは町もろとも、火と硫黄の降る中で滅んでしまいます。

 一方、街の外に連れ出されたロトたちは「命がけで逃げなさい。後ろを振り返ってはいけない。山に逃げなさい」と命令されます。助かるためには前方の山に向かってひたすらに走ればいいのです。走りに走ればいいのです。罪から救われるためにはそこから命がけで遠ざかればいいのだと思います。

ロトの妻はここまでくればもう大丈夫と、ほっとしたのか、または残してきた町が気になったのか、うしろを振り返ってしまいます。

 さあ、たいへん!一瞬のうちに塩の柱になって息絶えてしまいます。一心同体といわれる夫婦であっても、夫ゆえに自動的に救われるのではないのです。個人の責任です。神様は一人一人と個人的に係わり合いたいのです。

2023年03月16日