創世記二八章

創世記二八章一六章
ヤコブは眠りからさめて「まことに主がこのところにおられるのに、私は知らなかった」と言った。

 エサウも悪いけどヤコブはもっと悪くてずるい、その前に父イサクと母リベカの子育てが悪い、特に、リベカは愚かすぎる、夫と息子を騙すなんてと、わめきたい気がします。リベカは夫が老いて視力の弱くなったのをいいことに、溺愛するヤコブを兄に変装させて、家督相続の祝福の祈りを奪い取ってしまうのですから。騙されたエサウが怒り狂ってヤコブを殺そうと思うのも無理はありません。

 エサウの殺意を知ったリベカは、ヤコブを遠く自分の故郷へ逃がすのです。ヤコブは今風に言えばおたく人間です。母のそばにべったりだったのでしょう。そのヤコブがたった一人で逃亡する羽目になったのです。見送るリベカもあわれ、旅立つヤコブもあわれです。 

 初めての一人旅に泣いたかもしれないヤコブのそばに、何と神様は野宿の仮寝の夢にご自身を表します。神様はエサウではなくヤコブを選ぶのです。一見、不公平な気がします。ヤコブは初めて神の臨在とその愛を知るのです。どんなにうれしく心強かったでしょう。 

 以後、神様はヤコブの言動に関係なく、ヤコブを導き、彼を通してアブラハムへの約束を繋いでいきます。神様は不公平でなくご自身に忠実なのです。永遠不変のお方なのです。 

2023年03月25日