創世記一七章

創世記一七章一九節
いや、あなたの妻サラが、あなたに男の子を産むのだ。あなたはその子をイサクと名付けなさい。わたしは彼と永遠の契約を立てーー後の子孫のために永遠の契約とする。

 神様はアブラハムに跡継ぎを与えるにあたって『あなた自身から生まれてくる者』と言われましたが、その真意は伝わらず、とんでもない悲劇が起こってしまいました。それから一三年の月日が流れ、ハガルの産んだイシュマエルはたくましく成長していきます。その頃にはサラとハガルの波風も表面上は凪いでいたのかも知れません。アブラハムはイシュマエルがかわいくてしかたがなかったでしょう。

 ところがアブラハムが九九歳の時に神様は「彼女(サラ)によって、あなたにひとりの男の子を与えよう。私は彼女を祝福する」と、敢えてサラを名指して跡継ぎの約束を繰りかえします。アブラハムの戸惑いは大きかったでしょう。第一に浮かんだことは「百歳の子に子どもが生まれようか。サラにしても九十歳の女が―――」というつぶやきであり、疑いです。前回の失敗は苦悩の果ての判断ミスですが、今度はおことばへの疑いです。不信仰です。一五章の、天の星を見て即座に信じたアブラハムとは別人のようです。信仰の父アブラハムはどこへ行ってしまったのでしょう。

 神様は重ねて言われます「あなたの妻サラが、あなたに男の子を産むのだ」と。
二度も三度も言い含める神様の忍耐と、決めたことは必ず貫くみこころの強さに打たれます。

2023年03月14日