創世記二五章

創世記二五章二八節
イサクはエサウを愛していた。それは彼が猟の獲物を好んでいたからである。リベカはヤコブを愛していた。

 イサクもリベカも百パーセント神様に従い、祝福されて結婚しました。二人は人目にも麗しいすてきなご夫婦ではなかったでしょうか。やがて家庭には双子の男子エサウとヤコブが与えられました。満月のように欠けたところのない家庭が築かれていったと思います。

 ところが、いつからどうしてこの家庭に不穏な風が忍びこんだのでしょうか。夫婦がたった二人の子を平等に扱うことができなくなっていました。父親イサクは男の子らしく活発な長男エサウに目をかけ、リベカは自分にべったりのおとなしいヤコブを愛したのです。たぶん、親たちの扱いはかなり極端だったと思われます。自分の好みに従って子どもたちを愛したり疎ましく思うなんて、親のすることでしょうか。とはいえ、私たちも知らず知らず、あるいは故意に、同じことをしているに違いありません。 

 しかし、こうした日々は、まず夫婦関係をゆがめてしまいます。それはダイレクトに子ども同士にも影響します。お父さんよりもお母さんが好き、母よりも父の方がいい、お兄ちゃんは嫌い、弟なんていない方がいい……。

冷え冷えとした家庭に、波乱が起こるのは時間の問題でした。エサウは神様の祝福を軽んじる愚か者になっていったのです。

2023年03月22日