冬木立(ふゆこだち)  寄稿者 草乃心

葉をすべて落とした木々が、川沿いの道に並んで立っています。冬木立は、装いを脱いだ姿のようです。枝の曲がり、幹の太さ、空へ向かう角度が、そのまま現れています。覆うものがない分、一本ごとの違いがはっきりと見えました。

どの木も黙って立っていますが、長い年月を支えてきた骨格の確かさが伝わってきます。風に揺れながらも、倒れず、折れず、ここにあるという事実だけが残っています。飾りはなく、輪郭だけが冬の光に浮かんでいました。

成長を止めたように見えても、木は内側で春を待っているのでしょう。余分なものを手放し、力を幹の奥に守る。その静かな選択が、寒さを越える備えとなっているように思えました。人の歩みもまた、外からは測れない時を通されているのかもしれません。

冬木立は、語らず、動かず、ただ立っています。その端正な姿を前にしていると、耐えることは、自分の力だけで成し遂げる行いではなく、支えられている事実に身を委ねる姿なのではないかと、ふと立ち止まらされます。冬の光の中で立つ木々は、そのことを示しているようでした。

2026年01月27日