寒中にひらく白い約束   寄稿者 花守

冬の公園を歩いていると、思いがけず澄んだ香りに立ち止まることがあります。足もとを見ると、白い花を静かに掲げた日本水仙が咲いていました。冷たい空気の中で、その香りは驚くほどやさしく、けれど確かな存在感を放っています。

日本水仙は、寒さの底にある季節に花茎を伸ばします。地中で力を蓄え、凍える時期を選ぶようにして咲く姿は、不思議な忍耐を思わせます。厚みのある葉も、派手さはなく、ただ黙々と伸びていきます。花は小ぶりですが、中心の黄色がほのかな光のように見え、冬の景色に静かな彩りを添えています。

聖書には「時が来れば、実を結ぶ」という約束が語られています。目に見える変化が乏しい季節にも、神の備えは密かに進んでいるのだと、日本水仙は教えてくれるようです。寒さの中で香りを放つその姿は、希望が決して失われていないことのしるしのように思えました。

二月は、春を待ちながら心が揺れる時でもあります。けれども、この小さな白い花に目を留めると、待つことの意味を思い返します。静かな時を通して与えられる恵みを信じ、今日も一歩ずつ歩んでいきたい、そう思わせてくれる花でした。

2026年02月21日