葉なき枝に灯るもの     寄稿者 花守

冬の山裾を歩いていると、ふと甘い香りに足を止めることがあります。見上げると、葉をすべて落とした枝に、小さな黄色の花がいくつも灯るように咲いていました。ロウバイでした。まだ寒さの残る頃、春を待たずに花を開くその姿は、どこか控えめで、それでいて確かな存在感があります。

ロウバイは、葉が出る前に花を咲かせます。枝は一見すると乾き、力を失ったようにも見えますが、その内側では、すでに花を咲かせる備えが整えられていたのでしょう。人の目には何も起きていないように見える時にも、静かな準備は進んでいるのだと、教えられる思いがしました。

わたしたちの歩みも、似ているのかもしれません。実りや変化が見えず、ただ季節を耐え忍んでいるように感じる時があります。けれども、その時を無意味だと決めつける必要はないのだと思います。神は、葉のない枝の内側でさえ、次の時のための働きを止めておられないからです。

花期が終わる頃、ロウバイはようやく葉を広げます。順序を急がず、与えられた時に、与えられた姿で咲く。その静かな在り方に、信仰の歩みもまた、同じであってよいのではないかと思いました。寒さの中で香りを放つロウバイのように、わたしもまた、今与えられている場所で、静かに主を信頼して歩みたいと思います。

2026年02月16日