はらりと散る花びらの向こうに    寄稿者 花守

冬の散歩道で、ふと足を止めさせる花があります。童謡『たきび』にも歌われてきたサザンカです。生垣のあいだから、寒さに負けず赤や白の花を咲かせている姿を見ると、冬の景色の中に小さな灯がともったように感じます。花の少ない季節にあって、あの鮮やかさは、静かな励ましのようでもあります。

サザンカはツバキによく似ていますが、散り方が違います。ツバキが花ごと落ちるのに対し、サザンカは花びらが一枚ずつ、はらりとはがれるように散っていきます。その様子を眺めながら、わたしは「終わり方」にも、それぞれの姿があるのだと思わされました。目立たず、音も立てず、少しずつ手放していく生き方もあるのだと。

聖書には、「時が来れば実を結ぶ」との約束が記されています(詩篇1篇)。咲く時だけでなく、散る時にも意味がある。そう思うと、衰えや別れ、静かな後退の時期も、決して無駄ではないのかもしれません。むしろ、その過程を通して、心の奥に残るものが整えられていくのではないでしょうか。

一月の冷たい空気の中で、サザンカは黙って役目を果たし、やがて去っていきます。その慎ましさに、わたしは信仰の姿を重ねます。人に見せるためではなく、定められた場所で咲き、定められた時に散る。その歩みを、神は静かに見守っておられるのだと信じつつ、わたしもまた、今日の一日を丁寧に歩みたいと思うのです。



2026年01月17日