クリスマスローズに教えられて   寄稿者 草乃心

冬の庭は、音も色も控えめになります。霜の朝、足もとを確かめるように歩くと、日陰に小さな白や深い紅が見えました。うつむき加減に咲くクリスマスローズです。「冬の貴婦人」と呼ばれるその姿は、華やかさを競うのではなく、静かにそこに在ることの美しさを語っているようでした。

強い日差しを求めず、むしろ陰を住みかとするこの花は、冬の寂しさの中で庭を落ち着いた彩りで満たします。人目を引く高さもなく、香りを誇るでもありません。けれども、近づいて覗き込むと、色や形、模様の豊かさに気づかされ、思わず息をのみました。見ようとする者にだけ、深さを明かす花なのだと思います。

聖書に「神は高ぶる者に敵対し、へりくだる者に恵みを与えられる」(ヤコブ4章6節・新改訳)とあります。うつむいて咲く姿は、へりくだりが弱さではなく、恵みの通り道であることを教えてくれるようです。日陰でも折れずに育つ強さは、静かな信頼の力でしょう。

冬の只中で、声高に主張しなくても、与えられた場所で咲く。クリスマスローズを前に、わたしもまた、今日の持ち場で小さな光を宿して歩みたいと思いました。神は、見えにくいところにこそ、確かな命を備えてくださるのです。

2026年01月14日