「木の霜化粧」  寄稿者 季想

冬の朝、裏山の木々が白く光っていました。枝という枝が、まるで薄衣をまとったように輝いています。寒さに手をすくめながらも、その美しさに足を止めました。息をするたびに空気がきらめき、音のない世界に包まれたようでした。

 木の霜化粧――樹霜(じゅそう)と呼ばれるこの現象は、夜のあいだに冷えた空気の中で、霧や水蒸気が木の表面に凍りつくことで生まれます。霜は風に向かって伸び、光を受けて結晶を輝かせます。厳しい寒さのなかでしか現れないこの姿は、冬の自然が見せるひとときの芸術です。

 けれども、その白さはただの寒さの結果ではないように思うのです。光を失ったように見える季節にこそ、木は静かに耐え、空の水分を受け取り、氷の花を咲かせます。動きを止めたようでいて、実は生きている。春に備えて、命を内にたたえているのです。

 わたしたちの歩みもまた、霜の季節を通ることがあります。何も実らず、心が凍えるような時期。それでも、神はその冷たさの中に美しさを備えてくださるのではないでしょうか。「わたしの恵みは、あなたに十分である」(Ⅱコリント12:9)。凍てつく朝に輝く樹霜のように、静けさの中で神の恵みが光ります。
 今日もその光に照らされながら、静かに立ち続けたいと思います。

2026年01月03日