枕草子で清少納言が筆頭にあげた星「すばる」はプレアデス星団の和名。見る人の視力や条件で見える星の数が変わるらしい。数えられるようで、実は一定しない星の群れ。わたしはその話題に、ふと心を留めた。
夜空を見上げる人の目は、それぞれ違う。多く見える人もいれば、わずかにしか見えない人もいる。同じ空を仰いでいても、受け取る光の数は同じではない。その事実が、どこか人の歩みと重なって見えた。
そのとき思い出したのが、アブラハムと神との会話だった。
「さあ、天を見上げなさい。星を数えられるなら数えなさい。」(創世記15章5節・新改訳)
神は、数えきれない星を示しながら、彼に約束を告げられた。見える数ではなく、神の言葉そのものが支えだったのだ。
見える星の数が揺らぐように、わたしの信仰も日によって揺れる。それでも、数えきれない約束を語られる神は変わらない。見えない夜にも、その言葉を信じて、静かに空を仰ぎたいと思う。