ネット『カラマーゾフの兄弟』読破ツアー 旅日記その3 投稿者 希望の風(掲載日2006年10月)

ネット版読書の旅、称して『カラマーゾフの兄弟』読破ツアーが9名で始まって二か月が経ちました。月1回、それぞれが所持している旅日記(読書感想文)を、言い出しっぺの私まで提出することになっています。この15日前後に、けなげにもメンバー全員からぶ厚い?ものが送られてきました。皆さん、時間を絞り出してけんめいに読書しておられるようです。

文庫本4冊を4か月で読破する計画ですから、予定ではちょうど半分にさしかかったところです。2冊は読み終わりました。すでに4冊読み切ってしまった人が2名います。
時間がたっぷりあったから読めたのではないことは確かです。時間の余っている人などいません。でも、はやり時間がなければ読めません。どうしても時間の工面が付かない緊急事態の方もおられます。9名が背負っている日常はそれなりに重いのです。もし小説にしたら、読みごたえのある一冊になるような、ドラマの渦中の方がおられます。

Fさんのお父上は末期がんでホスピスに入所しました。穏やかな日々が続くかと思っていましたが、どうも容態が急変したようです。毎日ブログをアップしておられるのですが、このところぷっつりと更新されていません。もしや……と思っています。

Mさんは、95歳の母上を抱えながら現役の小学校の先生です。入退院をくり返す母上を最近ようやく施設にお願いすることができました。長年にわたる介護のご苦労は、並大抵ではありません。

そんな非日常の中から、なお、カラマの旅に加わっています。互いに祈り合い励まし合いながらの旅です。もっとも全員が顔見知りとは限りません。私さえまだお会いしていない方もいます。でも、不思議でなのですがすっかり親しき友人です。それ以上に一体感を感じます。思わず『カラ共同体』と言ってしまいました。

11月の半ばまで、それぞれがまた孤独な読書に没入するのですが、いつもどこかでメンバーたちが意識されます。ページを繰っている音が聞こえてきそうなくらいに。
人と人との繋がりとはこんなにも楽しく豊かな思いを与えるものかと、改めて思わされています。これは、読書の旅が早々に咲かせた予想外の花です。花を愛でつつ、旅を続けます。

2025年10月22日