アドベントに入ってすぐに   寄稿者 色えんぴつ

11月の終わりにアドベントに入る準備をした。
ろうそく1本の中で迎える礼拝はいつもと同じだったが、とくべつ光が感じられた。
その午後、ある方の訃報が届いた。

十代に信仰を与えられた彼は建築職人だった。若い時は同じ教会で共に過ごした。
その後自宅近くの教会に転会して、奥様とともに教会ではなくてならない人になっていた。
奥様がなくなったのはコロナ直前である。昔の仲間で集まってお慰めの会をと計画していたが、叶わなかった。
彼は独り暮らしをどう乗り越えていたのか。葬儀で知ることができた。

聖書書道という団体があるらしい。彼は書道を趣味とし、それを伝道へと用いていたのだ。
「書は祈りである」というその会の趣旨に賛同し、教会で書道をすることを何よりの生きがいとしていた。毎週の説教の看板書きや、書を生かした冊子作りなど、やることはいっぱいあった。

お茶の水キリスト教センターの2階の売店で彼の書のしおりを売っているのを見たことがあった。だって伝道になるからと、書に牧師の一言メッセージを添えてあった。
牧師はたぶん彼の息子ぐらいの年齢だろう。葬儀の式辞の中で熱い思いを持って語り、神をたたえていた。牧師と信徒がともに教会を形成していく姿を皆に見せてくれた。

二か月前、新しいみ言葉集ができたと送っていただいた。さっそく高齢の方に「字が大きくて見やすいから」と差し上げた。そのレターパックの中に「わが国籍は天にあり」と力強く書かれた和紙のはがきがあった。ちょうど奥様がなくなられた方に差し上げたところ、力つけられたと喜ばれた。私のお礼の手紙が届いて間もなくの逝去だった。
私たちの国籍は天にあるから、とアドベントの初めの中で教えてくれた旅立ちだった。

2025年12月05日