秋田県北部、森吉山の深い森で、国の天然記念物であり絶滅危惧種のクマゲラが2021年に撮影されていた、というニュースを読みました。黒い羽をもち、国内最大のキツツキとして知られる鳥が、誰にも気づかれずに生き続けていたことに、わたしは静かな驚きを覚えました。
けれども、こうした報せに触れるたび、人は失われる寸前になって初めて尊さに目を向けるのかもしれない、そんな思いが胸に残ります。自然の豊かさに感謝しながらも、どこかで大切なものを取りこぼしてしまう自分の姿が重なります。
わたしの日々の中にも、見えなくなっていたはずの恵みがふと姿を見せる瞬間があります。長く祈り続けた後に届くひとことの慰めや、そっと差し込む小さな光。それらはまるで、心の森に棲む“霊的クマゲラ”がどこかで羽ばたいてくれるような時です。
森吉山の奥で守られていたいのちが再び現れたように、わたしたちの歩みも主の御手の中で静かに保たれているのだと思います。今日、その小さな羽音に気づける者でありたいと思います。