A紙朝刊のコラムに、その道の専門家が興味深い意見を投稿していた。格差社会を是正するために、生活必需品は消費税減免をと、言うのである。
消費税引き上げ説が出るたびに眉をしかめつつ、動向を気にしている。税収がなければ国はやっていけないことはよくわかる。消費税もしかたないと思っている。しかしかねがね一律課税は公平なようで不公平だと、小さな財布しか持たないゆえに実感してきた。
この数年、社会に格差現象が起き、経済面に著しく、貧富の差が広がっていると聞く。いやな世の中になったと、かすかに憤懣を抱いている。そこへ、なお貧しき者をむち打つように消費税引き上げの話題がちらちらしている。その度に、せめて食料品は税の対象から除外できないだろうかと思ってきた。
論者氏は、現在のような例外のない一律課税では、相対的に低所得者層により多く負担がかかることになり、格差がいっそう拡大する。これを避けるためには、所得にかかわらず消費せざるを得ない生活必需品への課税は減免すべきではないかと述べている。
これは既に多くの国で実行されているそうだ。一口に食料品といっても、高級品もあるからその選別は困難を極めるだろう。しかしそれこそ有識者たちが知恵を絞ればなんとかなるのではないか。
別の紙面には、10万円もする炊飯器や100万円もするオーディオなどに人気が出ているとあって、ほんとうに驚いた。高価な物を購入できる方々に税の協力をいただけないものだろうか。かつて、物品税というのがあった記憶がある。物品の種類と価格によって課税されたのであろう。それと消費税を組み合わせたような方法が考えられないだろうか。そして、せめて食料品の一部は利率を低くするとか、無税にならないだろうか。
聖書には、社会的弱者救済のきまりが随所に出てくる。福祉思想の原点がここにあると思う。神様は、彼らのために畑の落ち穂を残しておけと言っている。税制にも、残しておくべき落ち穂があるのではないか。