イエス・キリストの営業マン その7  投稿者 希望の風(掲載日2006年9月)

(H氏は自分を裏切った上司への怨念を払拭できずにいました)

しかし、S氏のあの偉大な愛、すなわち神の愛を知った時、不思議にあれほどの恨みつらみが消えていった。私も遅まきながらこの愛に立ち、この愛に生きなければならない。恨んだり憎んだりしている暇はない、そういう境地に立つことができた。私はこの書の上から大声で断言する。「常務さん、私はもうあなたを、ゆるしています」。
私をゆるし受け入れてくださったイエス・キリストと、S氏の愛にかけても彼をゆるすと公言する。

おもえば神様は、ご自分の愛をむき出しにして手のひらにのせ「これが私の愛だよ。わたしはこのようにしてあなたを愛しているんだよ」と見せてくださったのだ。物わかりの悪い私に実物教育をしてくださったのだ。この真理がわかるまでに、25年という年月が必要だった。歳月の急流、激流が必要だった。

H氏の自叙伝はまだまだ続くが、後日物語は私(希望の風)が直接見聞きしたことから記したいとおもう。

無一物で明日の当てもなく会社を去ったH氏はすぐに次の職場を得た。以前から氏の働きを知っていたある会社の社長さんから声がかかった。破格の待遇を約束された。H氏はその経験を買われてセールスマン教育に携わった。それは願ってもない働きであった。

一方、それまでなおざりにしていた教会生活、奉仕に没頭した。折しも教会は長年の願いであった会堂建築に乗り出した。H氏は委員長になって大奮闘した。建築資金調達のために、自分の家を担保に提供した。一度はないものと思った家屋敷である、神のために使えるのならこれ以上の喜びはなかった。もちろん夫人も依存のあるはずはなかった。もっともこれは担保であるから、今に至るまで無事に住んでおられる。

聖書を無償配布する団体(ギデオン協会)にご夫妻で所属し、地域をはじめ、日本全国に出て行って活躍している。2001年4月には、キリスト教テレビ伝道の番組に出演を依頼され、画面から神の愛を力強くお話しした。
2003年には大冒険をした。氏は「一世一代の大仕事をさせていただいた。自分ではそう思っている。私の持てる信仰力、体力、精神力を出し尽くして、文字通り倒れるまで働いた。主が助けてくださらなかったら、本当のところ生きて帰国できなかったであろう」

H氏は国際ギデオン協会の活動のひとつEAP共働聖書贈呈の働き人として立候補し、南米コロンビアに派遣された。この働きはいっさい自費である。およそ20日間、学校や路傍で聖書を贈呈し続けた。一日5000冊のノルマ。日本では考えられない数字であった。慣れない気候と食べ物と過酷なスケジュールですっかり体力を失い、路上に倒れてしまったこともあった。しかし、捨て身の働きをして、贈呈冊数95万冊と、偉業を成し遂げた。

氏には新しい志が与えられた。家を解放して集会をすることであった。そのためにはしっかり聖書を学ぶ必要があると考え、仕事をさらに縮小して聖書学院へ入学した。

一つのみ言葉を思い出す。ピリピ3章13,14節
『うしろのものを忘れ、ひたむきに前に向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目指して一心に走っているのです』
(次回は最終回とします)

2025年09月13日