クリスマスの捧げもの          寄稿者 色えんぴつ

今、リコーダーの練習をしている。
今年のクリスマス・イブの集いは、昼間にみんなで讃美歌を歌う会になった。
奏楽者は芸大のピアノ科を出た本格的な音楽家だ。お父様が会員だったが、召された後は息子さんが教会に来るようになり、今年はイブの日に奏楽をしてくださることになった。それに合わせて私たちも何かしようではないかという話になり、それぞれが楽器を持ちよることになった。
私が持っているのはリコーダーだ。それぞれギター、ハーモニカ、リコーダーを持ち寄ることとなった。演じるのは讃美歌103、「まきびとひつじを」である。

半世紀以上も昔、小学校で縦笛を習った。音楽の先生はそれは熱心な方で、いろいろな曲を吹かせてくださった。同級生の中にはピアノを上手に引く人がいて、私はいつもうっとりと別世界の人を眺めるように見ていたものだ。そのころ家にピアノがある人はめったにいなかったので、歌う以外に音楽を奏でるものつまり縦笛は、たちまち私のお気に入りになった。
狭い家の中でピーピーと吹く笛の音は家族にはたまらない騒音だったろう。父がいないときには母はいつも付き合ってくれたものだ。

さて、娘のお下がりのリコーダーはまだちゃんと音をだしてくれた。ところが昔は」あんなにいい音が出たのに、きちんと出ないのである。指の抑えが足りないからか、しっかり押さえるととんでもない金属音が出てきた。こんなはずではなかった。なめらかな澄んだ音が出るはずだったのに。特にドの音が出ない。焦ってきた。

フランスの昔話をもとにした『ちいさな曲芸師バーナビー』という絵本がある。バーバラ・クーニー再話、末盛千枝子訳。百年以上も語り伝えられてきた伝説に美しい絵を添えた本だ。中世ヨーロッパの人々の生き生きとした様子が描かれている。バーナビー少年がクリスマスに捧げたものは何だろう。
私はリコーダーの練習をしていると、時々この絵本を思い出す。皆様、クリスマスおめでとうございます。

2025年12月22日