この書の冒頭部分はあまりにも有名である。よく引用され、好んで暗誦される。
初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。
この方は、初めに神とともにおられた。
すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。
この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。
光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。
私が10歳そこそこで手にしたのはこの書であった。15歳で受洗したとき、教会から文語訳の旧新約聖書をいただいた。最初に開いたのは当然ながらこのヨハネの文であった。文語訳では『ヨハネ傳福音書』であった。字面の意味さえ難しかったが、文語のリズムとともに今でも頭にしみ込んでいる聖句がたくさんある。
そのいくつかを文語体で掲げてみる。冒頭部分はこうである。
太初(はじめ)に言(ことば)あり、言は神と偕(とも)にあり、言は神なりき。
3章16節
それ神はその獨子(ひとりご)を賜ふほどに世を愛し給えり、すべて彼を信ずる者の亡(ほろ)びずして、永遠(とこしえ)の生命(いのち)を得んためなり。
8章37節
人もし渇かば我に来りて飲め。我を信ずる者は、聖書に云へるごとく、その腹より生ける水、川となりて流れ出づべし。
11章25節
我は復活(よみがえり)なり、生命(いのち)なり、我を信ずる者は死ぬとも生きん。
この書は学べば学ぶほどさらに学びたくなる書と聞く。一方で、くり返しくり返し、読んでは祈り、祈っては読むのに最適だと思う。原語や外国語で読めなくても、数種類の日本語訳を読むだけでも深い真理に導かれるだろう。