C.S.ルイス自叙伝『喜びのおとずれ』その3  投稿者 希望の風(掲載日2006年5月25日(木))

ルイスはクリスチャン
ルイスは幼いときからキリスト教の色濃い環境にいた。しかしキリスト教徒であるとはいえなかった。むしろ神を認めることを恐れていた。神が自分を捕えようとしていることを鋭い霊的感性で察知していたが、故意に避けていた。
しかし、神はルイスを追いかけてきた。その時のことを本文から引用する。
そのころ、ルイスはオックスフォードのモードリン学寮の特別研究員に選ばれていた。

「幾夜も続けてモードリン学寮の個室に独りいる私の姿を想像してほしい。一瞬仕事から気がそれる度に、こちらからは会いたくないと真に願っているのに、神が着々と執拗にせまってくるのを感じた。恐れていたことが、ついにやってきた。
1929年の夏学期、わたしは降伏した。神を神であると認め、ひざまづいて祈った。その夜、英国中でモットも意気の上がらぬ、不承不承の回心者だったろう」 

ああ、ルイスはついに神に捕えられた。偉大な神学者、ファンタジー作家C.S.ルイスが産声をあげたのである。
深夜、研究室の一室で、深く頭を垂れ、おそらく涙をにじませて、自己放棄し、祈るルイスを想像するのはなんと快いことだろう。ルイスは書物を著して、キリスト教を深め広めるのに偉大な働きをした。今も彼の遺した著作はイエス・キリストを語り続けている。

ところで、それまでの最大の関心事であった《喜び》にはすっかり興味を失った。意味を持たなくなってしまった。彼の喜びは対象も質も変わってしまったのだ。イエス・キリストこそがルイスの真の《喜びのおとずれ》となった。 (終り)

2025年05月25日