この1ヶ月間、詩人長田弘著エッセー【読書からはじまる】を毎日開いては閉じ、閉じては開いている。
《熟読と再読》を読書の習慣にしようと決めたので、いまのところそうしている。この読書姿勢は効果がある。
最初に読んだとき、たいして共感しなかったところに、2度目、3度目になると、ぐっと惹きつけられてくる。文章の殻が割れて、見えなかった中身が見えてくると言ったらいいのだろうか。もっとも、鋭い理解力と感性があったら、一度で十分なのかもしれないが。
【読書からはじまる】はこの年最初に出会った記念の本だから、まだまだしばらくつき合ってみたいと思う。早々に書棚の隅を居住地にあてがうのは気の毒な気だ。
聖書が一年中、机上を宿とし、一日に何度となく開閉をくり返されているように、今年は何冊かの本も、同列に並べてみたい。
大江健三郎氏の記事が思い出される。氏は若いときに恩師から教えられた読書と勉強のしかたをずっと守ってきた。一人の人を3年間は研究する。著作を読み、関連の書物を読む。氏はそれによって小説を生みだしてきたと。
氏の姿勢からもヒントをいただいて、とにかく《熟読と再読》を続けていきたい。