このカテゴリーには、私の人生に美しい思い出の風を残していった方々や、今も豊かな友情の風を送ってくださる友人たちの人生の一こまを、ご本人の許可を得ながら書いてみます。
彼女はアダルトチルドレン その1
2年ぶりの再会です。W子さんから会いたいと連絡があったとき、とっさに、ああ、だいぶ回復したなとうれしくなりました。
彼女とはかれこれ10年のおつきあいです。私の教会から遠くない施設で治療のための共同生活を始めたことから、来会するようになりました。人の多い日曜礼拝には来られなくて、夜の祈祷会に見えていました。
交わりが深まって親しみを感じてくださったのか、心の奥深くに抱えている痛みを自分から話すようになりました。
W子さんは30歳すぎまでバリバリと社会で働いていましたが、ある時友人から、家族による虐待の苦しみを相談されたとき、突然自分もそうだったのだと、子どものころの出来事を思い出し、そのことから苦しみが始まり、とうとう医師の手が必要になってしまいました。もう父や母とひとつ家に住むことはできなくなり、治療院に入ったのでした。
W子さんはたいへん純粋なキリスト信仰を持っているのですが、病は執拗に彼女を虜にして放そうとはしませんでした。共に治療を受けている共同生活者たちはもっと悲惨でした。同室の友を初め、何人もの友が自ら命を絶っていくとのこと。それを聞かされる度に胸をえぐられるような衝撃を受けました。現実を認識し受け入れるには、私はあまりに無知であり無力でした。(続く)