「新しい人」になるほかはない
氏の文をもう少し引用する。
「敵意を滅ぼし、和解をもたらす新しい人になる自己教育をめざしてもらいたい。
私はもう老人の年齢まで生きて、自分は古い人だった、「新しい人」になれなかったと思い知っています。
九月十一日のニューヨークのテロをテレヴィ画面で見ながら考えていたのはまさにそのことでした。
私はもう一度、この単純な言葉を書きつけて、皆さんへ呼びかけます。敵意を滅ぼし、和解を達成する「新しい人」になってください。「新しい人」をめざしてください。「新しい人」になるほかはないのです。十字架にかかって、生きかえった人は、この二千年でただひとりです。そして、これからの新しい世界のための「新しい人」は、できるだけ大勢でなくてはならないのです」
大江氏が聖書の説く「新しい人」に着目したのはさすがである。言われるとおり、敵意を滅ぼし和解を達成できるのは「新しい人」以外にはない。そして、21世紀にはますます「新しき人」の需要は大きい。
氏は、ご自分のことをキリスト教徒ではないからとことわっておられるので、氏に「新しい人」の聖書的意味をこれ以上要求するのは筋が違う。
ただし、キリストの救いに預かって聖霊を内に宿す私たちは、この新しき人の意味を再確認し、新しき人が担っている使命を深く考えたいと思う。新しき人の初穂はもちろんイエス・キリストであるが、救いに預かったクリスチャンたちもまた真の新しき人である。
そして、新しき人になるには年を取り過ぎたと言われる大江氏が、復活のイエス・キリストを信じて救われ、名実ともに新しき人になることを祈らずにはいられない。救いに年齢制限はない。新しき人に生まれ変わるのに条件はいらない。代価もいらない。すでに支払われているのだから。
この本はほかにも読み手を刺激する話題に満ちている。