このカテゴリーでは、老いについての体験、私見、見聞を発信していきます。
6月2日政府が閣議決定した06年版「高齢社会白書」によりますと、昨年10月1日時点で、65歳以上の高齢者は過去最高の2560万人となり、総人口に対する割合は初めて20%台に乗った、ということです。つまり日本人の5人に1人がお年寄りということです。
私もその一人に仲間入りをしたのです。それが現実なのだと無理に自分に言い聞かせています。というのは、だれしも同じ思いでしょうが、高齢者ということばにはまだまだ納得しがたい心情があるのです。
昨今の自分を眺めて、年をとったなあとは思いますが、他人にはっきりお年寄りと言われたらにこにこ笑って肯定するにはいきません。もっともまだ言われたことはありませんよ。
近頃、高齢者の呼称は70歳以上にという声があるようです。早晩そうなるでしょうと、これにはいち早く賛成します。もしも、70歳に達したら、高齢者とは75歳以上とすべきだと主張するかもしれません。
人はこの世に生を得て以来、毎日、未知の世界へ旅しています。その途上の節目節目では、大きな期待や不安で心身が粉々になるような思いをします。私にも入学試験、入社試験、恋愛、結婚、そして出産など、人並みの経験がありました。ひとつひとつその度に無我夢中でくぐり抜けてきました。20代、30代、40代、50代と走り抜け、そして今、熟年時代とか老年時代と呼ばれる人生の終りの、最終の時代を迎えているのです。
最終の時代がとても厄介です。この時代の認識や準備や覚悟など、何一つしないまま、あっという間に突入してしまったと言う感じが大きいのです。これは私だけの怠慢の故でしょうか。皆々様はゆうゆうと門をくぐられたのでしょうか。
初めて体験する心身の変化を筆頭に、なんと多くの初体験が待ちかまえていたことでしょうか。そしてその初体験は明日、明後日にも待ちかまえているらしいのです
すでにその域を生きた先人、先輩のことばにも大いに耳を傾けていきたいと思います。
世界的な名著『老い』で有名なシモーヌ・ド・ボーヴォワールは言っています。
「わたしは50歳の時、アメリカの女子学生から、シモーヌ・ド・ボーヴォワールも年だわねと言われて、身体がぶるぶるとふるえるほどでした」
大塚野百合【老いについて】より