このカテゴリーは、聖書66巻全巻を1巻ごとに大きく見回し、ワンポイントで私見する、聖書エッセイです。
【希望の風】発見の旅でもあります。
歴代誌Ⅱ36章6、7節、23節
この彼のもとに、バビロンの王ネブカデネザルが攻め上って来て、彼を青銅の足かせにつなぎ、バビロンへ引いて行った。ネブカデネザルは、主の宮の器具をバビロンに持ち去り、バビロンにある彼の宮殿に置いた。
「ペルシヤの王クロスは言う。『天の神、主は、地のすべての王国を私に賜わった。この方はユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てることを私にゆだねられた。あなたがた、すべて主の民に属する者はだれでも、……、上って行くようにせよ。』」
前回の続きで歴代誌のⅡは聖書中14番目の巻である。
ダビデの後継者ソロモンは壮大な神殿と、華麗な自分の宮殿を建てた。ダビデ王朝は繁栄を極めた。しかしソロモンの時が絶頂で、その後は下り坂。とどまるところを知らない石のように滅亡の坂を転がっていった。
何人かの善王が現れて、信仰復興が高揚された時もあったが、ついに都エルサレムはバビロンの王ネブカデネザルによって陥落した。ユダ王国、ダビデ王朝は滅亡したのである。民は悲しくも捕囚となり、遠くバビロンへ引いていかれ、奴隷となった。
しかし、神さまは反逆の民ではあるが、わが子イスラエルを捨てなかった。
約70年後、バビロンが滅ぼされ、かわってペルシャが興った。ペルシャの王クロスはユダの捕囚民を解放するのである。帰りたい者は帰還をゆるされた。聖書は神さまがクロスの心に働いたと記している。神さまは異国の王を使ってまでご自分の民を赦し、助けたのである。
神さまに背き、反逆するイスラエルの姿は、そのまま人間の真相ではないだろうか。しかし、自己街道を順調に走っているときには、それが自己破滅に直結するようになるとは気がつくものではない。だからこそ、神さまは時に厳しい艱難困難を与えて、目を覚ませよと呼びかけるのであろう。愛しているがゆえにである。
振下ろされる鞭が愛の鞭であると気がつけば幸いである。気がついて、悔い改めて、神さまの膝にすがるとき、新しい人生がはじまる。そこには希望の風が吹き始めている。
何度自己本意の道を走ったことか。何度神さまの手を振り切ったことか。が、幸いにも気づかせていただいた。今は神の都に帰還をゆるされ、礼拝の民に群れに加えられている。なんという感謝であろうか。