題をつける     寄稿者 色えんぴつ

毎日届く新聞には多くの記事が載っている。
昨今は新聞を取らない人が増えているというが、昭和の活字人間の私には毎日の新聞は娯楽の一部である。
広告もまた面白い。薄くなった新聞の一部を占める広告。お金がかかるだろうなあ。

『91歳、ヨタヘロ快走中!』   (樋口恵子著)
『監督が怒ってはいけない大会がやってきた』   (益子直美ほか著)
『捨てたい人 捨てたくない人』これは捨てる あれも…捨てる?   (群ようこ著)

これらはある日の朝刊の2面3面の下の本の広告である。
なんと見事な文か。これを見ただけで内容が分かる。さすがプロの仕事だ。
私たちも文章を書く機会が多いと思うが、どんぴしゃりの題をつけているだろうか。

3月は日本の社会ではまとめの月である。
この一年を振り返って書いたり話したりすることも多い。
私の一年はどうだったか。私のこの十年はどうだったか。私の半生はどうだったか。
題をつけることは決して簡単なことではない。

震災後の13年を多くの人が振り返っていた。一言ではくくれない複雑な人生。
教会でも新しい年度へ向けてそれぞれが題をつける時を迎えている。

2024年03月13日