春の夢  寄稿者 青梅

「あなたは生まれ故郷、父の家を離れて私の示す地に行きなさい。・・・」と神さまからの召命を受けたアブラハム(当時アブラム)は、メソポタミア地方からカナンの地に旅立ちました。その距離1800キロ、青森から九州までを遙かに超える距離を、それも交通手段のない時代、一族と多くの家畜を携えての旅は大変だったと思います。

大変な旅と言えば、以前車で日本一周の旅を考えたことがありました。定年退職を目の前にひかえて、なにかにチャレンジしたいとの思いからだったと思います。・・・でも簡単に挫折しました、それも「歯の定期検査はどうしようか」とか「夜中におやじ狩りにあったら・・」などと、なんとも意気地のない理由でした。

むろんアブラハムの旅とわたしの旅の計画とくらべようなどとは思いませんが、もし、わたしの旅の動機がアブラハムと同じだったらと思ったのです。
湧き上がる伝道の働きの迫りから旅の計画が生まれ、その計画が神さまから与えられたものだと確信する信仰を身につけていたらなどと思うと、当時、旅に対する抱いていた不安などどこ吹く風のように忘れ、車はキャンピングカー仕様にしよう、旅のスタート地点は札幌、などと、勝手に妄想が広がっていくではありませんか。・・・そこで、目が覚めたのです。
妄想が夢だと知るのに時間は必要ありませんでした。
春の暖かい陽ざしに誘われてうたた寝をしていたらしいのです。

でも、夢が神さまの召命に変わっていくのがわかりました。
「あなたはいま、天の御国に向かって旅をしている旅人です。自分の足で今与えられている道をしっかり歩みなさい。」と神さまのお声が聞こえてきたからです。
すると、「あなたのみことばは私の足のともしび私の道の光です。(詩編119:105)」の聖句が、今まで以上に身近になり、頼もしく思えたのでした。

2024年03月06日