老女も走る師走   寄稿者 銀鈴

まだコロナ禍が完全に終わったわけではないのに、いつまた大波が襲ってくるかわからないのに、世の中の空気の流れがひところとは大きく変わって、せわしくあわただしい。老女ものんびりとうたたねしてはいられない。いつの間にか巻き込まれている。寝ぼけ眼で起き出して、もつれそうな足元をかばいながら、いつの間にか走り出している。師走は老女にまでスピードを要求する。

数日泊り客があって右往左往した。2年ぶりとあっては歓待せざるを得ない。いえいえ、とても楽しかったし、直接に会うことのすばらしさを心ゆくまで味わった。しばらくぶりで東京駅まで出かけて新幹線を見送った。少しばかり寒い地方に向かう列車であった。

長年係わっている小さな「組織」のニュースターを記事集めから編集、印刷、発送まで、仲間と一緒に進め、一段落した。今は会わなくてもできる。ネット上のクラウドを使ってやり取りしながら編集できるのは便利この上ない。意見交換や連絡はライン上のグループをフル回転させる。時間短縮に、効果抜群である。そうなのだが、気がつけば12月も早や半ばに差し掛かる。

教会堂のアドベントクランツに三本のキャンドルが燃えている。穏やかな炎が心を和ませてくれる。来週は4本目も点火されて、いよいよクリスマス礼拝である。まだ賛美もハミングのみ、3部に分けた礼拝が続く。ケーキもローストチキンもないクリスマスだが、こんな時だからか、飼い葉おけに眠る赤子のイエスさまがひときわ鮮やかに見える。

2021年12月14日