1年10か月ぶりの再開  寄稿者  緑風

コロナ禍第5波がほとんど無風に近く凪いできたので、この約2年間、しぶしぶではあったが断念してきた活動の扉を開けた。いつもの場所のいつもの会場に入ると、つい先月も来たような気分になり、いつものように机を出し椅子を並べるなど、考える前から体が自動的に動き出すのには自分ながら驚いた。さすがに参加者はいつもの半分にも及ばなかったが、コロナ戦場からの凱旋兵士のような頼もしさを感じた。2年間の空白は瞬く間に金色の光で埋められ、希望のキック・オフになった。

実際には皆さんじっと忍耐の自粛暮らしをしていたのだが、ストレスやフレイルやうつ症状も見えず、お元気であった。ふと、この2年間は半強制的ではあったが、静養の時だったのではないかと思ってしまった。思えばコロナ以前は、ほとんど習慣的になっていた活動がかなりあった。それはそれで有益だったが無くても済むこともあった。自分を振り返ると思い当たることが多々ある。

会では、それぞれがこの2年間の生活の様子や心情を分かち合った。所属教会の活動の様子も紹介された。リアルな礼拝を貫き通した教会もあれば、オンラインを使う教会もあり、実情がよく分かって参考になった。共通していることは、食事会など交わりの場は中止したことだった。総じて、確かに教会員の交わりは大いに不足してしまった。コロナが収まればじきに充足されるだろうが。

この日の集いはあらかじめ飲食はしないことを申し合わせていた。いつもなら会の途中にブレイクがあり茶菓を楽しんだことだ。終了後は場所を変えてさらに歓談していたが、それもやめて、いっさんに駅に向かった。それもすっきりしていてよかった。

それぞれが、原稿提出の課題を背負って帰途に就いたが、決して重荷にはならないと信じる。会ったことで、語り合ったことで、喜びと感謝と新しい活力が課題の重さを軽くしてなお余りあるお土産になったと思う。

「見よ、兄弟が共に座っている。
なんという恵み、なんという喜び』
詩篇133篇1節

2021年11月10日