国内でワクチン接種スタート!  寄稿者 草枕

2021年2月17日、水曜日に、一年余り世界をあげて苦闘してきた新型コロナウイルスへのワクチン接種がスタートした。我が日本でのこと。ワクチンは特効薬ではないしパーフェクトな解決方法ではないだろうが、コロナ禍の闇を照らすひとつの灯になることは確かだ。いつ自分に番が回ってくるかまったくわからないが、そこはかとなく明るい気持ちが沸いてくる。一番危険な立場の方々が早く受けられるように、接種の現場が混乱しないようにと祈る。

日本の総人口はざっと1億4千万人。子どもなど接種できない人たちもいる。敢えて拒否する方々もいるだろうが、差し引いても1億人ほどが受けるのだろう。しかも2回。気の遠くなるような数ではないか。それもできるだけ短期間に行いたいのだ。スムーズに進むことを切に願う。報道を見るに、諸外国ではすでにトラブルが起きている。さて、我が国はどうなるのであろう。

順番が来れば接種していただくつもりでいる。毎年のインフルエンザワクチンと同じようなものだと思いつつも、その10倍以上の重みを感ずる。わずか一年ほどで、この未知のウイルスに対するワクチンを開発した研究者たちの苦闘に感謝します。量産化して、他国にまで供給してくださるいくつかの国にも感謝します。日本はまだまだ受けるだけなのだろうかと、ちょっと悲しい気にもなる。

ワクチンはマイナス70度以上の低温で保管されて各接種場所まで運ばれるのだ。外国の製薬会社の冷凍庫から出荷され、飛行機に積み込まれ、到着した日本のどこかに保管され、その後国内の隅々にまで運ばれるのだ。同じ低温を保持し続けねばならない。注射針が私の腕に差し込まれた時、冷たく感じるのだろうか。幼稚な想像が続く。

しかしなお当面は今まで通りの自粛生活が続くのだ。気を緩めずに注意深く暮らしていくことになるのだろう。そのつもりでいる。今日から暦の上では24節気の「雨水」に入る。降る雪が雨に変わり、雪解けの始まる時期とか。コロナ禍という一大吹雪が、いのちを癒し育てる恵みの雨に変わる時を楽しみに待っている。

2021年02月18日