もうすぐ敬老の日 寄稿者 そよかぜ

おばさん、もうすぐ敬老の日ですね。

たくさんの伯父伯母がいたが、今生きているのは母の一番下の妹だけである。

私たちの世代はそれぞれ親を送り、自分が一番上の世代になってしまった。伯父伯母はまずは私たちのお手本だったから、家族の在り方を色々と教えてもらった。気が付くと一番若かった叔母がそのまま親族最年長になっていた。

叔母は家族に先立たれて一人で仙台に住んでいた。そこにあの大震災が来た。家はもう住めないほど半壊した。その後長男の奥さんがいる埼玉に引っ越し、今は施設暮らしである。

施設に入るとき、姪の私たちは心配した。仙台ならいざ知らず埼玉で新しい人間関係を作ってなじんでいけるだろうか。急激に老いるのではないだろうか。私たち姪は動ける数人で「外の空気を味わってもらうために」と遊びに行くことにした。こうして埼玉通いが始まった。叔母八十代後半である。

叔母はいつもニコニコとほほ笑んでいた。悪いねえ遠いのにとすまながった。しかし私たち姪チームは親に会いに行くような気持ちで駆け付けた。歩ける間は外食を楽しんだ。車いすになるとお弁当やおかずやデザートを部屋に持ち込んだ。食後のコーヒーも用意した。チームの中で一番若い姪が世話役になった。何回か誕生日祝いもした。

おばさん、お元気ですか。そちらに伺えなくなってもう二年近くなります。

おばさんは狭い環境の中にいますが、施設の方々のお世話で元気にしていることを先日聞きましたよ。電話したTちゃんのこともすぐに分かったそうですね。そちらは大丈夫かと案じる言葉をいただいた、と聞きましたよ。

クリスマスごろは会えるといいですね。平安のうちに過ごされるようにと祈っていますね。

2021年09月16日