昨年暮れ、クリスマスの飾りを片付けていたとき、使いかけのろうそくがたくさんあることに気づいた。昔からろうそくが好きで、大小さまざまなろうそくがあった。
これはアドベントの時飾っていたもの、これは家庭クリスマスで使ったもの、それぞれに懐かしい思い出があった。なかでも食卓用の小さなろうそくがたくさん出てきた。まだ使えると捨てられずにとっておいたのである。典型的な昭和人間の私はどんなものも二度使いする。
「私は小さい灯 光りましょう。私は小さい灯 光りましょう。ひかれひかれひかれ」
子どもの時に習った讃美歌だ。小さなろうそくたちは、私をともしてと訴えていた。ろうそくは灯してこそ生きる。
夕食の時、一つに火をつけてみた。蛍光灯とはまた違った暖かく明るい光が灯った。もう二人だけの簡単な夕食のテーブルの上で、ろうそくだけが華やかな光を放っていた。