交差点 寄稿者 ママレード

先日、久しぶりに通院のため都心に出た。御茶ノ水である。
総武線を降り、エスカレーターで改札階に出た。以前は一番後ろの車両に乗り、階段を上がって出口に向かったのだが、今は何と楽になったことか。
改札口を出るとまぶしい夏の日光が容赦なく目に差し込んできた。
帰り、また駅に向かった。駅前の交差点に来た。ここに立つのは何か月ぶりだろうか。

いつもは第4土曜日、私はここに立って待っていた。これから始まる日本クリスチャン・ペンクラブの会場は、交差点を渡ってすぐのお茶の水クリスチャン・センターである。
大きなカバンの中には宿題の原稿、例会用のお菓子など、何かしらが入っていた。今日はだれと会えるかしらと想像するのも楽しみだった。
家を10時半ごろ出るので、隣のパン屋さんで軽食を取ることもあった。一人で入っていくと誰かしらと会うことができた。顔を見るともううれしくて、途端におしゃべりが始まった。学びにきたのか友達に会いに来たのかわからないような高揚感があった。

会が終わり、また隣のパン屋さんで交わりを持った後、それぞれ翌日の日曜日の祝福を願って解散、また駅前の交差点に向かった。
信号の赤が青に変わると一斉に歩き始めた。次回の宿題原稿の構想を練る人もいたかもしれない。その先はJRだったり地下鉄だったり、短い会話を楽しんで別れた。
私たちは何回あの交差点を歩いたことだろう。違うところから集まって交差点で一つになり会場へ、またそれぞれ何かをもって帰っていった私たちの会。

コロナの緊急事態宣言が続く中、心なしか人の数は少なかった。それでも交差点の信号機は正確に動いて赤と青を繰り返していた。

2021年09月01日