豪雨長雨去って猛暑再来   寄稿者  なぎさ

この10日間ほど日本列島は水浸しだった。一地域、一地方に限らず全国に及んだ。複数の雨台風が東西南北から一斉に上陸したようだった。秋雨前線と言うけれど、荒々しく激しく恐ろしかった。いたるところで洪水、土砂崩れが起こり、日本は跡形も流れ消えるのではないかとさえ思った。見える災害の真ん中で見えないコロナが暴れまわり、惨憺たる有様ではなかったか。自然の猛威は刻々と変化し過ぎ去っていくが、今やコロナはますます力を増して、まるで人間の努力をあざ笑うように世界中に刃を向けている。

このおびただしい大軍に当たる力は私たちにはありません。
ただ、あなたに私たちの目を注ぐのみです・・・。

その昔、ユダ王国のヨシャパテ王は、周辺諸国の連合軍襲撃のときに、自国の弱さを痛感して、たった一つできること、神に祈った。一国の王が身をかがめて神に祈ったのである。

今でも、心あるリーダーたちは密かに祈っているはずだ。多くの人々はあざ笑うだろう、人間こそ、科学こそ万能だと。しかしその人間が、科学が、一降りの雨だって止められない。雨雲ひとつ自由に動かせない。新しい病原菌にはなす術がない。

私は高所から物言える者ではない。批判したり悪口をいう立場にはない。そんな思いはない。行政を司る方々のご労苦に感謝している。医療の現場で命がけで働く方々にも熱く感謝します。この混乱の時期に、ある程度秩序が保たれ、救済の手が伸べられているのは国家と言う大きな体制の力であろう。ミャンマーや最近のアフガニスタンの情勢を垣間見るにつけ、つくづくそう思う。

自分の足元さえおぼつかない老女、いつ地上から去っても無害、あって無きに等しい者である。心底そう自覚している。その私にできることは、たった一つ、祈る事だけである。それは、高齢者に与えられた神様からの最上の贈り物である。贈り物を喜び楽しみ、活用したい。

また猛暑が戻ってきた。体が混乱している。数日エアコンなしが続いたが今日はまた活躍してもらうことになるだろう。小さな知恵を働かせて自助努力し、なるべく家族他の人たちに心配を掛けたり手を煩わすことのないように心がけたい。

2021年08月19日