春一番の風受けて   寄稿者 旅女

今年は節分が2月2日で、翌日3日から24節気の立春に入ります。3日が立春になるのは124年ぶりとか。しかし今後4年に一度3日が立春になるそうです。こうした自然現象をじっと観察し計算し、知らせてくださる研究者の方々に感謝します。

立春と聞くとたとえ外には寒風が吹き荒れていても、時に雪がちらついても、心が浮き立つのを覚えます。春が近づいてきていると知るだけでもうれしいのです。冬は辛いです。寒いのは身にこたえます。風邪をひいたら困ると、気になります。まして、このコロナ禍の最中ですからいつもの冬より緊張しています。今や、咳や発熱などの風邪気味でも簡単に医院に行けません。かかりつけ医のドアーにはそうした症状の人はあらかじめ連絡してくださいとか、一般の人とは違う時間帯にしてくださいと張り紙がありました。

立春が来たかと思ったら翌日にさっそく春一番が吹いて慌ててしまいました。その素早さに、です。春が突進してくる気がします。今年は一気に春が来るのでしょうか。この勢いでコロナヴィールスが追い払われ、消滅するといいのですが。

一人歩きが続いています。緊急事態宣言が出ているので、たとえ一人歩きでもできるだけ人混みを避けます。最近、気に入っているのは区のはずれを流れる人工川の川べりです。全長2.5キロの小さな流れですが、川幅は広く空は大きく広がって水鳥がにぎやかです。

春一番の新鮮な風に吹かれて汗をかきながら歩きました。ついにコートを脱いでしまいました。〈北風と南風〉のお話を思い出しながら、マスクの下で笑ってしまいました。春は人を笑わせてくれるのです。もうすぐうれしい季節がやってくるのです。〈春を造られた神様ほめてる〉子ども讃美歌が口をつきます。自粛生活も悪くないと、またも笑みがこみ上げてきます。この習慣はいつまでも続けたいものです。体力の許すかぎり。

2021年02月05日