「安かれ 我が心よ」   寄稿者 そよかぜ

次の日曜日に歌う讃美歌が週報に載る。「安かれ わが心よ」

フィンランディアとして有名なこの讃美歌を愛唱歌だとする人は多い。シベリウスの曲だ。

かの国ではだれもが知る音楽という。国家の危機にあるときに国民を励ました音楽だ。

フィンランド人のレーナさんと会ったのはもう3,4年前だ。娘の友人の義母で私たち夫婦と友人家族と6人で会食した。英語が全くできない私は日本語で会話に入るしかなかったが、それでも楽しいひと時だった。

レーナさんは自分からはほとんど話さなかった。外国の女性は自分の意思をきちんと表現すると思い込んでいた私は、レーナさんの日本人的な控えめな態度にほっとしたものだった。お孫さんのこと、日本の印象などを聞いたりした。

「日本ではレーナ・マリアという素晴らしい女性のアメイジング・グレースという歌が評判なの」と向けると「私はミドルネームがマリアなのでレーナ・マリアです」と返ってきた。

夜10時を過ぎたころ「フラワーアレンジメントで花束を作ってあげましょうか」と言ってきた。もう遅いのでまたの機会にと言って別れた。

アメリカにいるレーナさんの息子さんから「母が病気で階段も上がれない」という話を聞いたのは数か月前だ。賛美歌を弾きながらレーナさんのことを思い出した。まだレーナさんに花束を作ってもらっていない。レーナさん、神様がいつも一緒に歩いてくださいますよ。神様、レーナさんをお守りください。

2021年07月01日