いよいよ梅雨入り???   寄稿者 緑風

早朝から雨の音が激しくせわしく聞こえる。
関東以西では記録的に早い梅雨入りを報じていたので、
こちらも5月中かもと思っていたが音沙汰なく6月に入
った。しかし今日のこの降り様ではそろそろだろう。雨
の音が強くなったころからだろうか、体のあちらこちら
が重く痛む。空を覆う雲の重さが体にも影響するのか、
目に見ないが気圧のせいだろうか。

雨は好きではない。雨が生命維持のためになくてならぬ
ものだとわかっていても、大雨の予報が出れば気分は上
がらない。それどころか緊張が走る。報道はやかましく
警鐘を鳴らす。雨や風や台風ほか、自然災害の多い国に
暮らしているからだろう。

「聖書」の世界では、雨は「恵みの雨」と言われ、待望され、喜ばれている。一
年が雨季と乾季に二分され、乾季が長く続くと、旱魃が起こりそれは飢饉に直結
する。飢饉になれば家畜をはじめ人間も餓死してしまう。歴史には悲惨な例が深
く刻まれている。

旧約聖書の予言者エリヤの時代に、イスラエルには激しい日照りが続いた。エリ
ヤは神さまから「わたしのことばによるのでなければ、ここ数年の間、露も降りず雨も降らない」」との言葉を預かり、国中に触れ回った。時の王アハブはエリヤを憎み、命を狙うが、エリヤは片田舎に逃れ、飢饉の間も命を繋いだ。エリヤを養ったのが母子家庭の主婦であった。エリヤはこの母子に神からの約束の言葉を伝えた。「主が地の上に雨を降らせるまでは、そのかめの粉は尽きず、壺の油はなくならない」と。

その通りに、エリヤと、母と息子は飢饉の間ずっと、日々与えられる不思議な食べ物で飢えをしのげた。この有名なエピソードは古来多くの人々に希望と励ましを与えてきた。特に暮らしに困窮する時、力になった。私もその一人である。単に心の領域だけではなく、実際に「かめの粉は尽きず瓶の油はなくならない」不思議に、出会ってきた。Halleluiah!!

今は百年に一度と言われるコロナ禍にある。一地方に限ったことではなく全世界が苦難にあえいでいる。21世紀だからだろう、感染すれば、ひっ迫しているとは言え、医療の恩恵にも与り、感染しないようにとワクチンまで無料で受けられる。なんという幸いであろう。

雨の音を聞きながら、「心に浮かぶよしなしごと」があちらこちらと広がった。書いているうちに兼好さんのように「あやしうこそ物狂おしけれ」にはならないけど、雨の日もまた楽しからずや!と言える心境ではある。これもHalleluiah!!である。

2021年06月04日