朝の歌 睡眠と目覚めの不思議 寄稿者 旅女

ふっと目が覚める 朝である。
一晩中閉じていたわたしのまぶたを、 
だれが開けるのだろう。
わたしの内側からの力であろうか、
その力はどこから来るのだろうか。

就寝するとき 今夜も快い睡眠をお与えください、
明日の朝 こころよい目覚めをお与えください、
そう祈って目を閉じる。

あなたを守るものは眠ることもなく、
まどろむこともない。
夜も月があなたを打つことはない。
その夜 主は寝ずの番をされた。
主はその愛する者に 眠っている時にも 
なくてならぬものを与えられる。

たくさんのみことばで膨らんだ安眠まくらに頭を乗せる。

すぐに寝つけない夜もある。
主の平安に委ねて 心穏やかなはずなのに、 
眠れないこともある。
それでもたいていどこかで寝入っている。

いつ睡眠の世界に入ったのだろう、
だれが道案内してくれたのだろう。
いつの間にか なのだ。
睡眠中は意識がない、
体内のある種の器官は休むことなく活動しているが、
睡眠は短時間の死ではないか。
意識がないのだ 死んでいるのだ。

朝になると まぶたが軽くなって ふっと目が明く。
意識が戻ってくる 小さな復活ではないか。
今日も新しい命で 新しい一日が始まる。

主よ あなたはお約束通り、 
寝ている間もなくてならぬものを備え、
寝ずの番をして守り通してくださいました。
さわやかな目覚めをありがとうございます。
今日一日生き抜く力を与えてください。
今日一日生きていくための 必要な糧を与えてください。
備えられた必需品を旅バッグに忍ばせて、
未知の一日路を進みゆかせてください。

2021年05月12日